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更新日 2018年6月12日

ある新築助成制度の残念な真実


 

茨城県は、国内有数の林業県です。

 

栃木・福島県境の山々には、杉や桧の造林があり、
良質な建築用構造材や内装材を生産しています。

 

茨城県では森林湖沼環境税を用いて、
この県産材の良さを普及啓発するため、

 

木造住宅の新築やリフォームに対して助成を行っています。

 

これまでは年間300棟もの住宅に対し助成が行われ、
毎年300もの家族が、その恩恵を受けてきました。

 

先日、これまでと内容が一新された平成30年度の助成制度が発表になりました。

 

残念な事に、今年の申請資格はとても門戸が狭いものでした。

 

いばらき木づかいチャレンジ2018

 

こんにちは!
新築・注文住宅、リフォーム(増改築)で、あなたの期待に応えます。

 

自然素材で木の家造り、茨城県つくば市のヒダモク三代目、
快適住宅アドバイザー&ホームインスペクター(住宅診断士)の肥田です。

 

茨城県では、従来「柱材プレゼント」事業として、
抽選で20万円/棟の助成を毎年300棟に行ってきました。

 

賛否両論はありますが、県内の木造住宅振興に一役買っていたと思います。

 

◎どんな助成制度?
今年度は、「いばらき木づかいチャレンジ」事業として、
棟数は減りますが、従来の5倍の100万円の助成が行われます。
http://www.pref.ibaraki.jp/nourinsuisan/rinsei/shinkozei/forest/contents/04/index.html

 

これ自体に異論はありません。
むしろ、国産材県産材を積極的に用いた家造りをしてきたヒダモクは
大歓迎です。

 

20180528154307717_0002

 

問題は、その申請条件です。
これまでの「柱材プレゼント」と、大きく変わった点が1つあります。

 

それが、

⑤建物全体の木材使用量(材積)が25㎥以上であり,伐採の合法性が証明された地域材を100%使用すること
(店舗併設型住宅の場合は,住居部分の木材使用量が25㎥以上であること)。

です。

 

一般的な木造住宅の木材使用量は、構造材・下地材併せても0.5m3/坪です。

 

25m3以上用いるには、単純計算で50坪(≒165㎡)以上の住宅新築が最低条件になります。

 

戸建て住宅の床面積は、年々縮小傾向にあります。

 

国交省によれば、
H28年度茨城県の新築住宅の平均床面積は32.9坪(108.55㎡)です。
http://www.mlit.go.jp/statistics/details/t-jutaku-2_tk_000002.html

 

茨城県平均床面積

 

その場合、

木材使用量は約16.5m3です。
25m3に約8.5m3届きません。

 

この不足分を補う方法は、内装材を無垢材仕上げにすることです。
壁・床・天井を無垢材で仕上げるのです。

 

県産材の一般的な無垢フローリングのサイズは、
長さ4m×幅12cm×厚1.5cmです。一坪貼るのに8枚必要です。
一坪の面積を無垢板仕上げにするとその材積は、
4(長)×0.12(幅)×0.015(厚)×8(枚)=0.0576m3

 

8.5m3を満たすには、
8.5÷0.0576≒147.57坪

 

33坪の戸建て住宅で、壁床天井の合計面積が150坪にもなる住宅は有り得ません。

 

「申請資格の25m3以上の木材使用量の根拠を教えて下さい。」
と、茨城県の林政課に電話してみました。

 

明確な回答は未だに頂けません。

 

残念ながら、

今年度の「いばらき木づかいチャレンジ」は、

 

40坪以上で、その内装のほとんどを無垢仕上げにする住宅、
もしくは、
板倉工法などの特殊工法でつくる住宅

しか、申請条件を満たすことが出来ません。

 

◎誰のための助成制度?

 

これらの戸建て住宅の建築費用は少なくとも3000万円程度必要です。
それだけの予算を組んで家造り出来る人に100万円の助成制度が必要でしょうか?

 

「いばらき木づかいチャレンジ」の詳細が送られてきた時、
ヒダモクは、精査せずにHPやニュースレターなどで告知してしまいました。

 

告知した後で、「25m3以上」という、とてつもない障壁の大きさに気付きました。

 

HPや「ひだもく通信」をご覧になった方から、
「条件が満たせるなら、ぜひ申し込みたいのですが。」
と、数件の相談をいただきました。

 

良かれと思ってお知らせしたことで、逆に残念な思いをさせてしまいました。
この場を借りてお詫びいたします。

 

◎行政へのお願い

潤沢な予算を持って、住宅を新築したり、リフォームする方は多くありません。
だから、助成制度の利用を考えます。

 

本当に県産の木材の利用促進を図るのであれば、

 

「自分達の予算では、合板フローリングで我慢するしかないけれど、
本当は無垢フローリングでの暮らしがしたい。」

 

など、1ランク上のマイホームを望むご家族が申請可能な助成制度をお願いします。

 

無垢材に囲まれた、快適な空間を体験して、なお且つ、

無垢の内装材への助成制度の存在を知れば、

「我が家の床も無垢フローリングにしようか!」

そう考えるご家族は、少なくないとヒダモクは思います。

 

 

ヒダモクは、つくば市を中心に、
手に触れるところは、地元の無垢の木や珪藻土・クロス・畳など
自然素材の内装材を用いた木ごこちいい家づくりを提案しています。

 

「自然素材」が健康にも環境にも良いことは、何となくわかっていても
「自然素材の家は高い!」と思っている方は、とても多いです。

 

あなたもそうかもしれませんね。

 

しかし、費用対効果を考えると、
自然素材の我が家って、実は「お得」なんです。

 

そんな情報や、家族みんなが安心して暮らせる家をつくるための知識、
また、一般には知られていない建築業界の情報を発信しています。

 

「安全・安心・快適な家が欲しいけど、自然素材は高い?」
と思われているあなたは、こちらの資料をぜひお読みください。

 

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